はじめに|短期売上を求める人が多すぎる現実
私はこれまで10年以上EC運営に携わり、
年商1.5億規模まで伸ばした経験があります。
楽天では ショップ・オブ・ザ・マンスを2回受賞し、
売上を上げるために必要な施策や戦略は経験してきました。
そして同時に、
短期的な売上アップほど危険で脆いものはない
という現実も痛感しました。
コンサルティング依頼で多い相談は、
「今すぐ売上を上げたいです」
これは気持ちとしてはよく分かります。
私自身、過去にはその考え方で動いていました。
しかし結論から言えば、
短期で作った売上は短期で消える。
長期で積み上げた売上は簡単には崩れない。
この記事ではその理由と、
崩れないEC運営を作るための本質的な考え方 を解説します。
短期で上げた売上が危険な理由
短期で売上が上がる現象には、必ず 揺り戻し が存在します。
代表的な例として
- 広告費を一気に投下して売上を作る
- クーポンやセールに頼る
- SEOの小手先テクニックでアクセスだけ増やす
- 急にバズって注文が爆発する
このような売上のつくり方は、
見た目は華やかですが非常にリスクが高い。
その理由は単純です。
土台が存在しないから
急に上がったものは必ず急に落ちます。
なぜなら、そこに積み上げられた信頼、レビュー、顧客基盤、改善の履歴が存在しないからです。

長期で積み上げたモノは崩れずらい理由
長期にわたりじわじわと積み上げた伸ばした実績は 急に落ちません。
その背景には明確な理由があります。
- レビューが積み上がっている
- リピーターが増えている
- ページ改善が積み重なっている
- 指名検索が増えている
- 小さいとはいえブランドの信頼が形成されている
土台が強いから揺れても倒れない。
例えるなら、
短期売上はトランプタワー、
長期売上は鉄筋のビルです。
完成まで時間はかかりますが、
一度建てば簡単には崩れません。
EC運営とは派手な勝負ではなく
積み上げ型ゲーム です。
Amazonと楽天の違い
Amazonを例にします
- 露出を作りやすい
- 初期出品時に露出が増えやすい
- 価格勝負に適している
- 海外セラーが強い
という特徴があります。
そのため、
Amazonは上がりやすい反面落ちるときも早い
一方、楽天市場は
- いきなり売上を作るのが難しい
- SEOや導線を理解していないと売れない
- 地道な改善が必要
そのため、急上昇できずに撤退する店舗が多い。
しかし、地道に積み上げていくと、
崩れにくい売上構造が出来上がる
楽天の強さは、
レビュー・同梱導線・リピート設計・ページ改善
これらがすべて積み上がる点です。
短期の売上より「積み上げの速度」を
短期売上を追う人ほど焦ります。
「他人は伸びているのに自分だけ上がらない」
しかし、見るべきはそこではありません。
本来は、
積み上げの速度
- いいレビューが貰えたか
- ページ改善を1つ実行したか
- 顧客の声を収集したか
地味ですがこれが勝ち続ける唯一の方法です。
静かに積み上げた人だけが最後に勝つ。
静かに勝つEC運営の結論
短期売上は幻想です。
それに振り回されるほど不幸になります。
長期売上は現実です。
それに集中するほど自由になります。
じわじわ積み上げた人が最後に全部持っていく
EC運営の目的は売上ではなく、
継続して利益を残すこと です。
小さくても静かに、強く。
焦らず積み上げることが、本当の勝ち方です。
