はじめに|数字競争のEC運営に違和感を持っている人へ
私はこれまで10年以上EC運営に関わり、
年商1.5億円規模まで育てた店舗の運営経験があります。
楽天では ショップ・オブ・ザ・マンスを2度受賞 し、
売上の伸ばし方やアクセスの増やし方については十分に理解しているつもりです。
実際にレッドオーシャン市場でカテゴリランキング1位を取り続けていました。
しかし、その経験の中で痛感したことがあります。
売上を追いかけ続けても幸せになれるわけではない。
継続できなければビジネスとして意味がない。
EC運営に関する発信を見ていると、目につくのはいつも同じ言葉です。
「売上○○万円突破しました」「ランキング○位獲得」「アクセス○倍」
まるで 数字を大きく見せた人が偉い かのような空気があります。
しかし、ここに大きな誤解があります。
売上やランキングが目的ではありません。
利益と継続こそが本当の目的にすべきです。
私は10年以上EC運営に関わる中で、売上を追い続けた途中に一回力尽きるという経験をしました。
「とにかく売上を上げる」ことが目的になり、
「継続して利益を残す」という本質を見失ってしまった時期があります。
この記事では、
「静かに勝つEC戦略」のために必要な本質的な考え方
と、数字競争から解放されるための視点をまとめました。
数字競争に違和感を持っている方、
周りの成功アピールに疲れた方へ届けば幸いです。
売上が伸びても苦しくなる理由
多くのEC運営者が陥る落とし穴。
それは 「売上が伸びれば幸せになれる」 と信じてしまうことです。
当然最初の2.3年は勢いでまずは売上をつくることは大切です。
しかし成長フェーズの過程の中でどこかで視点は変えるべきです。
理由は
- 売上は伸びたのに利益が残らない
- 広告費が膨らみ続ける
- ライバルの価格競争に巻き込まれる
- ランキングを維持するために常に走り続ける必要がある
結果
売っても売っても苦しく止まった瞬間に終わる。
これはECに限らずビジネスの世界ではよくあること。
しかし多くの人は気づきません。
なぜなら、SNSやメディアが見せるのは 数字だけ だからです。
売上が月商300万円から700万円になったとしても、
利益が10%から3%に落ちていたらそれは本当に成長でしょうか?
ランキングや売上数字を目的化する危険性
楽天やAmazonではランキング獲得がひとつのステータスのように扱われます。
しかし、ランキングを取りに行くこと自体が目的化すると必ず歪みが生まれます。
- 利益度外視の価格設定
- 広告依存
- 大量の在庫リスク
- 粗利率の低下
- 消耗戦による精神的崩壊
そして最後はこうなります。
勝ったと思っていたらいつのまにか負けていた
ランキング1位を取るために利益を失ったら意味がありません。
ランキングは目的ではなく、結果論のひとつに過ぎないのです。
大切なのは、
- ランキングを狙うこと
ではなく - 利益を残し継続的に運営できる体制を作ること
ここにこそ、静かに勝つEC戦略の強さがあります。
ECの目的は「継続して利益を残すこと」
ビジネスとしてECを運営する以上、
目的は 売上ではなく利益、
そして 利益を出し続ける継続性 です。
継続性とは、
- 無理をしない
- 競争しない
- 価格で戦わない
- 自分の強みを活かす
- 再現性のある改善を積み上げる
これこそが 本物のEC運営 です。
多くの人は大きな成果を一気に手に入れようとします。
しかし、ECは 積み重ね型のゲーム です。
改善を1つずつ積み上げた人だけが、
いつの間にか強い店になります。
小さくても強い運営が本当の勝ち方。
競争ではなく「目的」に集中する
EC市場は常に競争を生み出す仕組みです。
モール側にとっては競争が激しいほど売上が伸びます。
だからランキング、広告、クーポン、セールを煽ります。
その舞台に乗せられると結果は決まっています。
- 資金力勝負
- 体力勝負
- 消耗戦
つまり、
勝てる人はほんの一握り。
多くのEC初心者・小規模店がやるべきことは、
自分が戦うべき場所を見極めること
であり、
不毛な競争から距離を置く選択をすること
です。
商品改善、ページ改善、顧客理解、リピート導線、ブランド設計。
やるべきことは、派手ではありませんが確実に成果に直結します。
静かに磨き続けた店は選ばれる店になります。
「静かに勝つEC運営」のための指針
最後に、本質に戻るための指針
静かに勝つEC運営の5つの原則

売上至上主義は中毒性があります。
事実、私もそうなっていたことがあります。
しかし本質的な運営は静かに積み上げていくものです。
静かに、長く、強く。これがECの本当の勝ち方
おわりに|数字よりも重要なこと
本当の成功は数字の大きさではなく安定的な継続と利益にある。
ビジネスとは、
誰かに勝つ競争ではなく、
自分の目的を達成する旅です。
小さくても静かに勝てばいい。
その勝ち方には再現性がありそれが私が伝えられることです。
